『eat. run. hope.』

先日14日はスワード・パークで行われたチャリティ・イベント 『Eat. Run. Hope.』 に行ってきました!

これはそのタイトルどおり、「食べて、走って、希望を抱く」というもので、5キロを走り、シアトルの人気レストランのシェフによるグルメな食事を食べ、ビール&ミモザを飲むというイベントです。チケットは、「走るだけ」、「食べるだけ」、「走って食べる」の3種類。私たちは「走って食べる」を選びました。各自100ドル強。もちろん、飲み放題&食べ放題です。

今年で2回目を迎えたこのイベントを共催しているのは Ethan Stowell RestaurantsEastside Maternal Fetal MedicineEthan Stowell Restaurants は少し前のブログで書いた 『Bar Cotto』 を経営しているイーサン・ストウェルの会社で、そのイーサンの奥さんのアンジェラさんが妊娠中に何らかの症候群で双子を失ったことで、そういう症候群であると診断された赤ちゃんの家族と治療チームを結びつける全米規模の非営利団体 Fetal Health Foundation への寄付を募るこのイベントを始動させました。Eastside Maternal Fetal Medicine というのは、ハイリスクなケースの産科ケアを行うところで、私はアンジェラのこの悲しいニュースを聞くまでその存在を知りませんでした。

悲しい体験をしたとき、その当事者のリアクションはさまざまですが、イーサン&アンジェラはこのイベントを始めた昨年、ローカルのテレビ番組にも出演して寄付の必要性を訴えていました。アメリカにはいろんなサポート・グループがあるように、「誰かに話して共有することで癒され、乗り越える」というアメリカ人って少なくないですよね。イーサン夫婦のようによく知られた人たちが表に出ることで、同じ問題に遭遇した人たちに利益を生み出すことができるというような、そういう使命感もあるのでしょうか。私は逆に言いたくないタイプなので、表立って行動する人はすごいな~と思います。

前日まで雨で寒い日が続いていたのでお天気が心配でしたが、当日は午前中こそ曇っていたものの、午後には青空が広がって、もうめちゃくちゃ春!やっぱり晴れるっていいですね~。毎年この時期になると、だんだんシアトルの曇り空が嫌になってきます!

もう少しで満開の八重桜
スワード・パークは、米国建国200周年にあたる1976年に日本がシアトル市に千本の桜の苗木を贈呈したことを記念する記念碑と灯篭が設置されて、三木首相夫妻が植樹を行ったところなんですね。

植樹記念碑のそばには灯篭と八重桜と松の木もあって、
そこだけ日本のよう。
その灯篭に飛びつく息子・・・

さて、肝心のレースですが・・・


参加者は約500人。みなさん、結構本格的な格好をして、いかにも「今から走るぞ!」という感じ。私はうっかりブーツをはいてきてしまい、いかにも走らないぞという感じにまとまってしまいました。息子もいるのでどうせ5キロも行けないだろうと思いましたが、やっぱり行けなかった!バランス・バイクに乗りたかった息子は「それではレースに行けないよ」と私と夫に言われて不機嫌になり、ジョガーに乗りながら泣き出して、「抱っこ~!抱っこ~!」ということに。どんどん追い抜かれて、あっという間に最後尾やんか。


と言うわけで、15キロ以上ある息子を抱っこした状態では5キロも無理と判断し、1.5キロの地点で折り返しました。

あ~、後ろからもうゴールを目指して走ってくる人が・・・


とりあえずゴールし、食事のテントへ。全体的にアメリカンでしたけど、Canlis のホットドッグ、Terra Plata のスライダー、revel のスープ、poppy のサンデー、Il Corvo のパスタなど・・・と書くと、シアトルに住んでる人なら納得のグルメぶりじゃないでしょうか。それぞれの店のオーナーシェフやエグゼクティブ・シェフも普段着で料理してて、いい感じでした。


親子でいろいろ食べて楽しかったんですが、やっぱり達成感を味わいながら食べたほうがおいしいですよね。来年は息子をジョガーに乗せて走るぞー!

余談ですが、日本から取材に来られる人とお仕事をしてて、「彼がシェフです」と紹介したら、「ああ、あなたがコックさんなんですね」と言われ、「アメリカでの "シェフ(chef)" と "クック(cook)" (日本語で言う「コック」)の違いが認識されてないな」と思うことがあります。アメリカのレストランでは "cook" はランクが下の人で、その上にスーシェフ(sous chef)がいて、そしてシェフ(chef)がいます。シェフはメニューを作ったり変更したり、指示を出したりと、監督的な立場にあるのですよね。また、"cook" をローマ字読みしてしまったのであろう「コック」は男性器を意味するスラングと発音が同じなのも、「ああ、あなたがコックさんなんですね」とは言ってもらいたくないもう一つの理由でもあります(苦笑)。