昨日、キャピトル・ヒルのレストラン 『Sitka & Spruce』 でランチをしたというママ友が「感動した」とテキストをくださったので、そうそう、先月私もあそこでランチをしたなあと思い出しました。
ここはシアトルの人気シェフの一人、マット・ディロン(この名前から、俳優のマット・ディロンがオーナーと勘違いする人が少なくないのですが、別人です)がオーナーシェフを務める店の一つ。彼は2007年には Food & Wine 誌の最優秀新人シェフ賞、2012年には料理界のアカデミー賞と言われるジェームズ・ビアード賞(James Beard Award)を受賞しています。もともとイーストレイクにありましたが、その頃から人気でしたよね。そしてこのキャピトル・ヒルの Melrose Market に移ってからは、雰囲気もグレードアップ。ますますおいしく感じられます。
この店では、やっぱりワインとともにゆったりといきたいところ。願わくば、時間を気にせず。でも、日本からのお客様とお仕事中だったので、これ一品だけで終わりました。なーんてことない感じですけど、このトーストのカリカリ感とかレンティルの味付けとか、とっても美味。お客様は「おいしい」を連発され、ホッ。
そもそも Melrose Market 自体がいいですもんね。ニューヨークやサンフランシスコでは珍しくないかもしれませんが、おしゃれな雑貨屋やレストラン、花屋、ワイン・バー、サンドイッチ専門店、こだわりの肉屋などが一箇所に集まっているこんな場所は、シアトルにはありませんでした。シアトルもようやくここまで来たって感じです。
先日、ジャングルシティでご紹介したあやこ・ゴードンさんの超美味なジャム。この Sitka & Spruce の横にある Marigold and Mint でも購入できます。最近は「あのジャムを食べよう」と思って起きるぐらいです。食べ物をおいしいと思えるということは、幸せなことですね。食べたい、おいしい、と思って食べているかどうかで、自分の調子を見るようになりました。
先日、シアトル・タイムズ紙で長い間書いているフード・ライターのナンシー・レソンが 『Dining Out: Seattle’s love of neighborhood restaurants』 という記事で、「シアトル市内にあるネイバーフッド(neighborhood)はそれぞれにキャラがあり、最近は特にそのキャラが立ってきている、そしてそのネイバーフッドが気に入ったシアトルのシェフたちがそこに根ざしたレストラン、つまり "ネイバーフッド・レストラン" を展開している」と語っていました。
ナンシーのように、ずっとシアトルを見てきた、シアトルが好きなライターさんにしか書けない記事というのがありますね。シアトルの「今」だけを批評したり他都市と比較したりした記事も面白いですが、このような記事を読むと、シアトルの変化と、シアトルをもっといい場所にしようとがんばっているシェフたちことが、もっと伝わってきます。