今月11日にシアトル美術館で開幕するイヴ・サン=ローラン展のプレス向けプレビューに行ってきました。
私にとっての初めてのイヴ・サン=ローランの商品は、大学時代のバスローブ。「寮のシャワールームは共同だから、バスローブがあったら便利」と日本の母に私が言ったのか、ある日、わざわざ日本からイヴ・サン=ローランのバスローブが送られてきたのです。
お金を送ってもらってこっちで買ったほうが郵送代を節約できて安くついたんじゃ・・・と思うでしょうが、その触り心地たるや本当にソフトで、でも丁寧な縫い目でしっかり作ってあって嬉しかった!
さて、展示会は、10代で才能を開花させ、21歳にしてクリスチャン・ディオールの後継者に選ばれ、その後独立してリタイアするまでいかに新しいものを生み出し続けたかという彼のデザイナーとしてのすごさを感じさせると同時に、一人の人間としての人生を時系列で追う形にもなっています。
幼い頃から、ディオールのところでデビューした頃、そしてセレブリティになった頃、リタイアするまでの貴重な写真がたくさん展示されていました。
その中で、きゅんとしたのは、母親が優しい表情で彼を見守り、彼が本当に嬉しそうな顔でカメラを見て笑っている写真でした。
下の写真はその写真よりももうちょっと大きくなった頃。年代が書いてませんでしたが、息子と同じ、5歳ぐらいかなと思いました。
壁に書かれた説明をずっと読んでいくと、晩年には欝をわずらい、症状が好転しなかったと書かれているところが目に留まりました。
「子供としての十分な時間がなかった」
「晩年には成功しても幸せを感じられなくなっていた」
すごい才能があって、すばらしい功績を残した人なのに。
その人の幸せって何なのでしょう。
彼の幼い頃の笑顔が忘れられません。
さて、先月から息子と私で「うれしいことノート」を書いています。日本語の練習のために日本語で。
書き忘れることもあるのですが、私があれこれ書く一方で、息子はたいてい「みんなとあえたこと」と書いています。最初は「それだけ?」「もっと他にないの?」と思いましたが、実際、本当にそれが彼にとって嬉しいことなんでしょうね。
でも、面白い答えが返ってくることもあります。
英語では "What's your favorite moment of the day?"
日本語でも英語でも、"Did you have a good day?" と Yes/No で答えられる質問にしないのがいいですよね。
最近、夫がそう聞くと、"xxx and I played together outside today" とか、キンダーのお友達の名前がすぐ出てくるようになってきました。
これが「みんなとあえたこと」につながっていくんですね。