バレエ 『くるみ割り人形』 を観てきました。

この時期はバレエと言えば 『くるみ割り人形』。

シアトル最大のバレエ団、パシフィック・ノースウェスト・バレエも、この時期は『くるみ割り人形』を上演します。

でも、長年にわたり創設芸術監督のケント・ストウェル氏があの絵本作家のモーリス・センダック(かいじゅうたちのいるところ/Where the Wild Things Are)と創り上げたオリジナル版を上演してきましたが、今のピーター・ボール芸術監督が幼い頃から30年にわたり踊ってきたバランシン版に今年から切り替えました。

なんでもそうですが、最初から創り上げたもの、ずっとやってきたものをやめて新しいものを作るときって、賛否両論になりますね。全員が同じ意見ということはありえない。よっぽど最初のがひどかったなら別ですが。

ストウェルさんも「ノースウェストの伝統なのに」と苦言を呈してました。

でも、ボールさんはやり遂げました。

そんなわけで私は息子と2人で初日に劇場へ。

息子とは昨年、オリジナル版の最後のシーズンも観に行ったのですが、途中でダンサーの真似なのか、興奮して足を上げてしまうというハプニングが(汗

でも3年前に当時5歳だった甥っ子と義姉夫婦を連れて行った時は、甥っ子がじっとできず、第1幕で帰らざるをえなくなったんですよね。義姉夫婦もバレエをまったく観たことがなかったので、親子で事前に物語や音楽に馴染んでおくように提案したのですが、義姉夫婦は結局(予想通りというべきか)、何もせず予備知識ゼロで行ったうえ、ロビーでのデコレーションと子供の写真の撮影にだけ必死で。

なので、5歳になりたての息子はどうなるかなと、少しドキドキ。

とりあえず、便利というだけで、劇場内のレストランへ。
子供メニューがありました。
息子は迷わずスパゲッティ・ミートボールを注文。


私はこの季節ならではのバターナット・スクウォッシュのスープ。昨日の感謝祭でも作ったけど、ちょっと味比べをしてみたかったのでした。トーストしたパンプキンシードを散らすのはいいですね。


ロビーもクリスマス仕様。ホリデー・シーズンなのですね~。


幕もまったく違う雰囲気で、期待が高まります!

そして、いよいよ幕が上がります~。
すべてのデザインが目に新しい。



上演時間は、1回の休憩を挟んで133分。

結論から言うと、これはこれで良いですね。コスチュームはオリジナルだし、それはとってもきれいでかわいくて新しく、明るくて楽しい、笑いを誘う舞台。バランシン版を観たのは初めてだったので、観られて良かった。

期待に沿った結果だったのではないでしょうか。

でも、オリジナル版と比べると、ダンサーの数が圧倒的に少なく、シンプルで、ハラハラ感に欠けます。人数が少なくなっているので、それは仕方ないか。また、オリジナル版のちょっとダークなイメージよりも、主人公の女の子に感情移入をすることなく、別の誰か、別の世界を見ている感じです。

でも、これを毎年観たいという大人はいるかしら?

いろんな都市でやっているホリデー・シーズンならではの 『くるみ割り人形』 をシアトルもやっていますよという位置づけになりそうです。

やっぱりオリジナル版はすごかった。
このノースウェストで、1980年代にあれを創り上げたということが、本当にすばらしい。
それを再確認させてくれた舞台でした。