"It was an accident." わざとじゃないとき




先日、息子と私でバスルームにいた時のこと。

ものすごい音がしたので振り返ってみると、タオルかけの右側が壁からはずれ、左側だけが壁についていて、「あっ!」という顔で私の方を振り返っている息子がいました。

息子は小さな脚立に乗っていて、その足元には壁からはずれたタオルかけの一部がゴロリ。

思わず大きな声で

「どうしたの!」

と言って駆け寄ってみると、

「タオルを自分でかけようとしたらね・・・アクシデントなの。わざとじゃないの」

と小さな声で言いながら両手をあわせて「ごめんなさい」ポーズ(なんかすごく日本人?こんなことする息子を初めて見ました)をし、みるみるうちに涙がたまって、つつーっとほっぺたを流れました。


息子をハグしながら思い出すのは、自分が幼い頃のこと。

幼い頃は幼い頃で、理解できる範囲内でのそれなりのロジックがあるんですよね。

壊そうとか、失くそうとか、そういう展開になると思ってやったことではないことはたくさんあります。

やりかけて、他の事を思いついたりして、やりかけてたことを忘れて放り出したままとかもそう。

そんなふうに、それなりの流れがあって。


大人は「無理」「不可能」と思うことでも、子供はなんとか自分でやってみようとするわけで、それが何かにつながることだってたくさんありますし。


で、今回は自分で何でもやろうとする息子が、大人の背ならまったく問題ない高さのタオルかけに(家を建てた時につけたタオルかけなので、子供の高さになってない)、自分でタオルをかけようとしたら、タオルを引っ張って体重をかけてしまい、取れてしまったようですね。

「ママ、怒らないで。アクシデントなの」


怒りませんよ、こんなことでは・・・。

怪我しなくてよかった。


「直せる?」

と息子。


私「直せるよ。マミーは無理かもしれないけど、ダディならできそう」

息子「ダディに言わないとね」

私「そうだね」

息子「ダディ、怒るかな・・・」

私「怒らないよ」


夕方、帰宅した夫が家に入ってくると、息子は自分で歩いていき、

"Daddy, I have to tell you something."
(ダディ、言わなくちゃいけないことがある)

"What is it, buddy?"
(なんだい?)

"I...."
(ぼく・・・)


後ろで見ていた私を振り返って、

息子「だめ。やっぱりママ言って」

私「大丈夫、大丈夫。自分で言うのがいいんだよ」


"What is it? Is everything OK?"
(なんだい?大丈夫?)

しゃがんで息子と目線をあわせてやさしく話しかけた夫に、息子は

"I pulled the towel hanger, and it came off the wall. It was an accident."
(うっかりタオルかけをひっぱってしまって、壁からはずれたの。わざとじゃないの)

と言いました。

"Oh. Are you ok? Did it hit you or..."
(おお。大丈夫?それが当たったとか・・・)

"No, it didn't hit me. I'm OK."
(ううん。当たってないよ。僕は大丈夫)

"Good."
(よかった)

"Are you mad?"
(怒ってる?)

"I'm not mad at all. Glad you were not hurt."
(全然怒ってないよ。怪我しなくて良かった)

"Do you think you can fix it?"
(直せると思う?)

"I'm sure it can be fixed."
(直せるよ)

息子は、フーッと息を吐きました。


息子の場合、怒ったかと聞いてはいますが、言うのを躊躇したのは、自分はいけないことをしてしまったと思っているからだと思うんです。こういうことでめたくそにキレる親じゃないし。


息子のことだから、次は同じことをしないようにするにはどうしたらいいかわかったでしょう。


経験上、こういうことで怒ると、わざとじゃないことでも正直に言わなくなってしまう。

そのほうが怖い。

そんなことばかり考えてしまいました。